便潜血陽性の方へ
大腸がんや前がん病変の大腸ポリープは硬い便が擦れると出血することがあり、便潜血検査陽性の場合、大腸がんや大腸ポリープがないかを確かめるために、大腸カメラ検査が必要になります。大腸がんは必ず出血するというものではありませんので、2日法の便潜血検査で1回(1日分)でも陽性の結果が出た場合には大腸カメラ検査を受けてください。
便潜血検査陽性で行われる精密検査には、大腸カメラ検査以外にも造影剤を使ったX線検査、CTコロノグラフィ―、カプセル大腸内視鏡検査などがありますが、検査精度が高く確定診断のための組織採取ができるのは大腸カメラ検査だけですので、他の検査で疑わしい病変が発見されたら改めて大腸カメラ検査を受けて確定診断する必要があります。また、大腸カメラ検査であれば、前がん病変の大腸ポリープをその場で切除して将来の大腸がん予防に役立てることもできます。こうしたことから、当院では最初から大腸カメラ検査を行っています。
最新鋭の内視鏡システムを使って検査経験豊富な専門医が検査を行っており、眠っているような状態で楽に検査を受けることも可能ですので、便潜血検査陽性を指摘されたらお気軽にご相談ください。
便潜血検査で陽性となった場合
便潜血検査は便に血液が混じっていないかを調べる検査であり、陽性になっても、消化管のどこから出血しているかまではわかりません。出血を生じる疾患は大腸がん以外にも多数あり、痔によって生じているケースもあります。出血の原因を調べるためには大腸カメラ検査が必要です。
X線検査
便潜血検査陽性の場合、造影剤を使ったX線検査が行われることがありますが、X線検査では見落としが起こるリスクが高く、特に微細で表面変化に乏しい早期大腸がんの発見は困難です。さらに、組織採取ができませんので、X線検査で疑わしい病変があった場合、改めて大腸カメラ検査を受けて組織を採取しないと確定診断ができません。
早期大腸がんの発見・確定診断が可能な大腸カメラ検査
早期大腸がんは微細で表面変化に乏しく、毛細血管の分布などを手掛かりにしないと発見が難しいケースがあります。当院では、特殊光や画像処理、拡大などの最新機能を搭載した内視鏡システムを導入し、微細な早期大腸がんや前がん病変の大腸ポリープ発見に努めています。
検査中に採取した組織の病理検査によって数多くの疾患を確定診断でき、前がん病変の大腸ポリープは検査中に切除できますので予防にも役立ちます。
経験豊富な専門医による大腸カメラ検査
当院では、内視鏡検査経験豊富な専門医が最新機器を自在に使いこなして質が高く、楽に受けられる検査を実現しています。
検査中に早期大腸がん・前がん病変の大腸ポリープの切除が可能
検査中に発見された早期大腸がん・前がん病変の大腸ポリープは、その場で切除する日帰り手術が可能です。大腸がんは進行させてしまうと命にかかわる可能性がありますが、早期発見できれば内視鏡での切除が可能であり、ほとんどの場合は完治が期待できます。また、前がん病変の大腸ポリープの段階で切除することで将来の大腸がん予防になります。
早期発見や予防には自覚症状がない段階で定期的に大腸カメラ検査を受ける必要があります。検査中の切除が可能なことで別の日に切除スケジュールをつくる必要はなく、事前の食事制限や下剤服用も1回で済みます。切除は日帰り手術として行われますので、入院の必要もなく、心身への負担も軽減できます。
便潜血検査陽性を早期発見につなげましょう
便潜血検査陽性で精密検査を受けた場合、受診者1,000人に対して陽性が50人、陽性50人の1～2人に大腸がんが発見されるとされています。実際に最も多い原因疾患は痔ですが、前がん病変の大腸ポリープは約30％に発見されると報告されており、切除することで将来の大腸がん予防につながります。また、大腸カメラ検査であれば、発見したその場で日帰り手術としての切除が可能です。便潜血検査陽性は大腸カメラ検査を受けるきっかけとして捉え、早期発見や予防に役立てましょう。
便潜血検査陰性の方へ
大腸がんや前がん病変の大腸ポリープは出血を起こさないことも多く、便潜血検査が陰性でも進行した大腸がんや前がん病変の大腸ポリープが見逃されている可能性があります。
陰性で症状がなくても大腸カメラ検査を定期的に受けることで早期発見や予防は可能です。当院ではリスクに合わせた定期的な大腸カメラ検査だけでなく、特にリスク要因がない場合でも前がん病変の大腸ポリープが発生しやすくなる40歳を超えたら1度大腸カメラ検査を受けるようお勧めしています。
